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勉強の仕方
金曜日。
土日が休みだと週末が本当に嬉しい。

今日は業務研修の4日目。
昨日の時点で自分の知識の蓄積量に限界を感じ、初日の自信はすっかりどこかへ消えてしまっていた。

新たな知識を自分の中で消化出来ていないうちに、どんどん次の知識がやってくるもんだから、私の頭の中はゴッチャゴチャになっていた。
それを正直に業務日報に書いたからなのか、今日は新しい研修には入らずに今までの復習をする時間を一日設けてくれた。

初日にセキュリティ関係や企業全体の取引の仕組みなどについて研修をしてくれた上司が再びついてくれたのだが、この上司の説明にはムダなところが全く無く、とても分かりやすい。
本当の意味で頭の良い人ってこういう人なんだ、と説明を受けながらも私は感心していた。

しかし、パーフェクトな頭の持ち主だと思っていたこの上司が研修の合間に意外なことを言った。
「自分もこの内容を理解するのにとても苦労をした」と。

この人は最初から知識をガンガン詰め込める特殊な人間だったわけでは無いのだ。
淀みなく的確な説明が出来るのは、何度も自分の中で知識を反芻して、覚えるコツと覚えるべき要点を心得ているからなのだ。
小さい頃から「勉強のやり方」を身につけている人はきっとこうやってハードルの高い試験などを乗り越えて来たのだろう。

こんな上司から研修を受けている恵まれた環境ではあるが、何せ自分の頭が追いついていかない。
「勉強のやり方」が身についていないからだ。(脳の衰えもあるだろうけど)

昨年通った学校での授業も気を抜けばたちまち置いてけぼりをくらうくらいのスピードではあったが、それでも家で復習をしたり、自分のやり方でノートを取って何とか付いて行くことが出来た。
何よりも、あの時は「生徒」だったので時間が無くて理解が出来なくても「分からない〜」と口に出して言える余裕があったし、ある程度の甘えが許される立場であった。

今回は仕事なので甘えは一切許されない。
残業も出来ないし、仕事は持ち帰り厳禁。
研修の期間も決まっている。
加えて今回一番厳しかったのは、メモは手書きではなく極力PCのメモ帳にするように、と言われたこと。
勿論、手書きよりはタイピング入力のほうがずっと速いし、コピペが出来るのも強みだろう。
でも、メモ帳だとイメージを描けないし、色分けも出来ないし、太字も使えない。
上司の説明を聞きながら入力したメモを後から見直した時に、自分が入力した文字には思えないのだ。
説明と全く同じように入力した言葉も自分で考えた言葉では無いので頭にスッと入ってこない。

2日目から研修をしてくれた上司が「他の人はエクセルなどでまとめているよ」と言っていたので、自分も時間をもらった時にエクセルで分かりやすいようにまとめる作業をしていた。

ところが今日、頭の切れる上司に「やり方は人それぞれだけど、エクセルでまとめるのに時間がかかって効率が悪いように思う」と指摘された。
確かに、研修の期間が何か月もあるならエクセルで凝ったものをつくろうがノートに手書きでも咎められはしないだろう。
でも今回は座学の期間は1週間程度なのだ。
上司は、自分がこの研修を受けた時に作ったメモ帳のファイルをいくつか見せてくれた。
そこには無機質な文字がびっちりと並んでいたが、要点を的確に捉えたメモはやはり素晴らしいとしか言いようが無かった。
研修4日目にしてようやく私は自分のやり方を捨てる決心がついた。

これからも仕事をする上で、自分のやり方を捨てなければ作業が進まない状況が出てくるだろう。
大事なのは生産性を保つということ。これを念頭に置いておけば、自分の感情など二の次になる。
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